テックリードとは

作成日: 2026-01-03 作成者: Morix

自分は長らくテックリードというポジションにいるけど、自分が思う「テックリード」に求められる責務や行動を言語化しておく。ただもしかしたらEMの役割も書いてるかもしれない。というのも自分はEMといわれるポジションの人とほとんど一緒に仕事をしたことがないためだ。

リードする分野の技術的な説明責任を負う

説明責任とは、結果はもちろんその過程も含め責任を負うこと。
なにかしらの技術的な決断をしたとき、その決定プロセスを説明する必要もあるし、そこから成果を出す必要もある。

テックリードが一番のスペシャリストである必要はないが、なんらかの意思決定をする場合、その草案を作成しそれをもとにチームと合意形成し、そこから方針を決断し遂行していく能力が求められる。

具体的にどんな能力が求められるのか?

  • コミュケーション力
  • テクニカルスキル
  • プレゼン力

コミュケーション力

最も大事な能力。この能力の構成要素としてはこんな感じかなー

  • フットワークの軽さ
    • 誰とでもすぐに喋れに行けるフットワークの軽さか大事。チーム内はもちろんチーム外の関係者とも積極的に会話していくことが求められる。意思決定のための情報収集・意思決定フェーズで役立つ
  • アンテナ力
    • 経営層・ビジネス・他開発チームなど色んなチャンネルから情報をキャッチアップし、意思決定に組み込めることが大事
  • リスペクト力
    • 相手に敬意を持ったコミュケーションができるかどうか。正論だけ言って相手を論破するのは簡単なやり方。関わる人がみな気持ちよく働ける環境を作るのがリーダーとしての務め。ここを軽視する者にリードする権利なしだと思ってる!

テクニカルスキル

テックリードならその分野に関する豊富な知識や経験を持っているべき。なぜなら意思決定をするためのトリガーがテックリードとなることが多いためだ。知識や経験がないと「◯◯をしないといけない」という発想すら産まれないのだ。

チーム内で1番の実力者である必要はないが、最低でも2番手くらいの実力は欲しい。

プレゼン力

なんらかの意思決定をするとき、その意思決定に至った背景や利点があるはず。それをチームやより上位の意思決定者にわかりやすく説明する能力が必要。

「わかりやすく」というのがポイント。話す相手によって共有するべきコンテキストも変わってくる。その共有するべきコンテキストを正しく把握し伝えることが大事!

チームの生産性向上の説明責任を負う

チームの生産性を上げることに責任を負う。

天才を除き1人あたりの生産性なんて努力しても精々1.x倍程度なので、チーム全体の能力を高めていくことで生産性を向上させる。

ここで求める能力はこんな感じだと思う

  • プロジェクトマネジメント力
  • 情報キャッチアップ力
  • ティーチング力

プロジェクトマネジメント力

プロジェクトが滞りなく進行しているか、進捗が悪いならなんらかが障壁になっていないか把握し取り除くこともテックリードに必要の能力。
テックリードならメンバーのテックスキルも把握してるはずなので技術的な障壁の有無も推測して声をかけられると尚良し。

情報キャッチアップ力

これは社内じゃなく社外からの情報キャッチアップ力。使用技術のアプデだったり、AI関連の最新情報だったり。ただ知るだけじゃなく実際に使ってみて、それを社内に展開することで、メンバーのスキル向上やチーム全体の開発生産性向上に繋げる。

ただ単に情報を共有するだけだとただのbotなのでそういうムーブばかりするのはこの立場の人間はしないこと!

ティーチング力

テックリードだと誰かに教える機会が多い。開発チーム内はもちろんPMなどテックな人以外にも教える機会もある。
相手から聞かれて教えることは当然だし、上記にも書いた通り「わかりやすく」教えることもできるべき。

さらに求めたいのは聞かれなくても教えることだ。これは単純に押しかけて教えに行くって意味ではない。テックリードのタスクはテックリードしか出来ないものであるべき。ただし他の人ができそうなことをテックリードがやってるのは問題がある。そのようなタスクの場合はテックリードがナレッジシェアも兼ねて他の人にタスクを任せるべきなのだ。
もちろん状況によってはそんなこと言ってられない場合も全然あるので必ずそうせよとは言えないが、とはいえこういう行動は常に心がけるべきだと思う。

製品を売るための技術的な施策を提案する

テックリードはメンバーのなかでもっとも視座が高くあるべきだと思う。
視座とは?それは担当しているプロダクト(あるいはシステム)がより売れるように考える事だと思う。「売れる」っていうと顧客に売る製品を連想すると思うけど、「使ってもらう」って言い換えてもいい。社内のプラットフォームを作ってるなら「より浸透しやすいプラットフォーム」がなんなのか考えるってこと。

プロダクトそのものの高尚な目的はあれど、公共的なものは除き結局は売れないと話にならない。事業継続が出来ないからだ。社会的な課題解決をしたいなら世の中に浸透すること・つまりより売ることだ。
エンジニアといえどプロダクトに関わってる以上、存在理由は売上を上げるためだ。だからこそ機能開発・品質向上をしてるはず。
エンジニアはその売上向上の手段構築に精力をかけるため、そのことを忘れがちになる。だからこそテックリードは視座を上げ、「売ること」を考えないといけない。

ただ売ることに関して専門性を持って働いてるロールはある。セールスチームやサクセスチームなどより顧客に近いところの方がより売るための施策は考えやすい。
なのでテックリードが発揮するべき価値は「技術的な観点での売上向上施策」だ。
なんだかんだ社内で1番プロダクトに触れてるのはエンジニアだ。開発時はもちろんテストでもずーっと触れてる。だから自分たちが不満を覚えることは顧客の不満に繋がってることもある。そういう不満を吸い上げ提案することはテックリード(ないしはEM)にやってほしい。

また顧客やセールスなどが考えもしないようなことをエンジニアが考えられることもある。例えばLLMは音声から感情を読み取れることをエンジニアは知ってるので、それもベースにした機能追加、といったようなことだ。

まとめ

テックリードに求められる責務や行動とは:

  • リードする分野の技術的な説明責任を負う
  • チームの生産性向上の説明責任を負う
  • 製品を売るための技術的な施策を提案する

自然にこれらの行動ができる人が自然とテックリードになるんだと思う。
こういうスキルを持ってるからその役割が適してるのであって、この役割になるべきとかそういう考えはないっす。僕もテックリードをやりたくてやってるわけじゃないし。